Shure 製品 – プロ用とは
Shure 公式サイトによると、
Shure 製品はプロが現場で使うことを常に意識した音源に忠実で色づけのない「リニアなサウンド」を提供します。
とのこと。
リニアなサウンドって何?という話ですが、リニア=直線という意味なので、バランスが良いとか、クリアな感じを表現しているものと思われます。
イヤホンの場合、楽しく音楽を聴く事を主たる目的とした製品ではないので、あっさりしたサウンドになっていることが想像されます。
今回のように、あえてこれをリスニングで楽しみたいというケースもあるので、プロ用の製品という以外にマニア向けな製品ともいえますね。
後述しますが、購入にあたっては正規販売店を選んだほうがよいです。
SE215 の種類(有線)
SE215 SPE-A は、Special Edition 、つまり特別版。
通常の SE215 (クリア、ブラック)の音響抵抗を低減させて低周波数域の量がわずかにアップさせたものなので、サウンドにそこまで大きな違いがあるわけではないです。
SE215 と SE215 SPE-A の公式な違いは以下の通り。
SE215 | SE215 SPE-A | |
---|---|---|
スピーカータイプ | シングルダイナミック型MicroDriver | |
感度 | 107 dB SPL/mW | |
インピーダンス | 17 Ω | |
再生周波数 | 22 Hz ~ 17.5 KHz | 21 Hz ~ 17.5 KHz |
ケーブル長さ | 162 cm | 116 cm |
カラー | クリアー、 トランスルーセントブラック | トランスルーセントブルー |
付属品 | キャリングケース ソフト・フォーム・イヤパッド (S/ M/ L) ソフト・フレックス・イヤパッド (S/ M/ L) |
プレビュー
プラスチック製だがスケルトンなので美しい。
ケーブル接続部分(着脱可能)から 5cm までの耳にかける部分にはワイヤーが入っているようで、形状記憶になっている。
ウレタンと思われる低反撥イヤーピースのMサイズが標準搭載されている。
指でつぶしてから耳へ挿入する。
ケーブルはやや固めだが、耐久性はありそう。
ボリュームコントロール、マイクは無し。
付属するイヤーピースは、もともと装着されているウレタン製ピースのSサイズ、Lサイズの他に 一般的なシリコンイヤーピースの各サイズ。
その他にノズル内部のクリーナーが付いている。
ちなみに今回手元に届いたのは 2017年10月製造のもの。
音質
使用環境:ウォークマンNW-A、音響設定なし
価格・コスパ | 2018年初頭の価格は12,000円前後と思われる。 |
デザイン | 無駄のないシンプルなデザイン。 ケーブルは少し硬めだが扱いづらいというほどではない。 |
快適さ | 遮音性は評判どおり抜群。 しっかり装着してあれば耳から落ちることはほぼ無い。 フラットな音質、低音も自然。 音源と音量によるが一部の中音域が刺さる事がある。 |
肝心の音質ですが、まず慣らし運転がてら使ってみた印象としては
低音の質がなかなか良好な点。
先述のとおりこのモデル は通常の SE215 の低音を強化したものなのですが、強調されすぎてウルサイということは全く無いです。
そもそも低音強化と言っても余計な味付けをしているワケでは無いのだから、ある意味当然なこと。
SE215 のドライバーそのものの作りがしっかりしていることが分かります。
量より質を追求したような、違和感のない自然な低音とも言えます。
中~高音域はいたって普通で、低音も含め全体的にクセが無くフラットな印象。
あえて「低音寄り」というほどでもないと感じています。
音量は取りやすいので、普段から大きめのボリュームで聴いている人は気をつけてください。
なお、再生環境にもよると思いますが音量を上げていくと中音域あたりが協調されてくる印象があります。
遮音性については、評判どおり。
耳栓と同じなので、音楽を流していなくてもほとんど外の音をシャットアウトできますね。
公式見解によると、周囲のノイズを90%低減するとのこと。
実際に使ってみた感じだと、音楽を流しているとほぼ外の音が聞こえなくなり、音楽を流していない状態だと近くの人の話し声がかろうじて聞こえる程度なので、コンビニのレジなどでの会話はギリギリ可能なレベルかなと。
装着感も評判どおり良く、しっかり耳にホールドされていれば首を振っても落ちることはまず無いのがグッド。耳掛けなのでタッチノイズ(ケーブルノイズ)もほぼ無く快適。
最初は装着に手間取りますが、すぐにコツをつかめるので問題にはならないでしょう。
1万円の価値はあるのか?
よく、コスパ最高! コスパ最強! とか各所レビューで書かれているのを目にしますが、実際どうなのか。少し冷静に考察してみます。
おそらくこれから SE215 の購入を検討している人にとって、最終的に気になるのはこの点でしょう。1万円は決して安い買い物ではないので。
音質面で言えば、すでにある程度満足できるイヤホンを持っている人にとっては、SE215 を使うことによる感動はないかもしれない。
なぜなら、先述した通り良くも悪くもクセがなくフラットなので、面白い音ではないためです。
発売から 6年以上経過しており、ただサウンドの臨場感、聴きやすさ、楽しさの快適さを求めるだけなら 3~5,000円台のラインでも性能十分なイヤホンは出ています。
よって、聴いていて楽しいイヤホンを求めている人にとっては、SE215 はコンセプト上、その期待に応えられない可能性があるため、コスパが良いとは言えないですね。
ただし、もともとの製品コンセプトとしてイヤモニ vs それ以外のイヤホン という違いがあるので、単純にどちらが良い・悪いということは言えないのも事実。
1万円で、プロが使用する機材に近いコンセプトのものが使えるという意味では、妥当な価格といえるとは思う。その意味では、コスパはそれなりと言えるかな。
こういう人にオススメ
-
- 低音の質に難ありなイヤホンを使っている人、
- 余計な味付けのあるイヤホンに嫌気が差している人、
- 単純に “SHURE かけ” をしてみたい人、
- 1万円クラスのイヤホン(イヤモニ)の音が知りたい人、
- とにかく SEP215 に魅力を感じていて、低音も大事にしたい人…などなど
以上どれかに当てはまる人は、とりあえず試してみると良いでしょう。
正規販売店について
Shure 製品は偽物が出回っているようなので、これから購入を検討している人は注意してください。
正規販売店は以下のリンクから公式情報をチェックできます。
ちなみに Amazon は正規代理店ですが、販売者が Amazon.co.jp の場合のみです。
それ以外のショップ名が販売しているものを選ぶ場合、正規販売店なのかを必ずチェックしましょう。